MOIZのBlog-的外れな指摘

アメリカ在住の日々の雑事を綴ります

2021に読んだ本

2021に読んだ本

2021年に読んだ本の中で印象に残ったものをマンガなどを中心につらつらと思いつくままに。2021年に読んだというだけで、出版が2021年とは限りません。

マンガ

まずはマンガから。辛いときにマンガはいい。

ドラマにもなった「ハコヅメ」の、普段とはうって代わったシリアスな別章。

「くノ一」捜査官黒田カナの関わった事件が連載とは違った陰鬱なトーンで描かれる。連載でも読んだが単行本で読み返し打ちのめされた。凄惨な事件の捜査やカナの苦悩が、同僚達との濃密な関わりや過去のいきさつなどを含めて丁寧に描写されている。特に過去エピソードとの関連は、作者のインタビューなどを読む限り、連載時から考えられていたものと予想され、普段の楽しいハコヅメの底に潜む闇の深さに慄然とする。

とにかくすさまじい作品だ。映画化して欲しい。

 

タイトル通り、若くして大腸癌になったひるなま氏の闘病記。がんが発見されて治療し退院するまでを当事者のめから、実に克明に記録している。

自分も今年は大腸癌の治療を受けたため、とてもとても興味深く読ませていただいた。辛いときに同じような境遇の人の話を読むというのは、くらべてどうこういう訳ではなく、それだけで励みになるものなのだ。

ひるなま氏の今後の良い経過を願っています。

 

人類が一度滅びかけた後の復興した後の場末の立ち飲み屋を舞台にした、なんだか良い感じのSFまんが。日本に帰ったらこんな感じの立ち飲み屋に通ってみたいものだと思う。(自分は今は酒をのまないのだが)。

ただ怪生物に襲われるのはいやだ。

 

タイトルそのまま邦画をプレゼンする女子高生のまんが。何故かいたくツボにハマってしまった。紹介される映画の多くはあまりにも奇想天外で、こんな映画本当にあるのかい?とも思ったが、自分が見たことのある作品(例えばバーフバリ)は漫画の通りだったので、全部本当にある映画なのだろう。この漫画を読んで実際に映画を見てみた物も、コクソンなど何個かある。

今年は特に池ちゃんがバズったのも記憶に新しいところ。考えてみたらこのブログも池ちゃん味がある。

 

子供の頃断片的に見た事はあるのだが通しで読んだ事はなかったので、キンドルのセールを機会に購入。タイムパトロールに巻き込まれることになった平凡なしょうねんボンとその相棒兼指導者リームの冒険。藤子不二雄F氏のSF作品群にもつらなるセンスオブワンダーと主人公二人の爽やかな関係が心地よい。

あと、エイシャ錠と圧縮学習機が欲しいです。

 

表紙見てまさかギャグ漫画だとは思わなかった。一見普通の先生同士や生徒とのやりとりが、なんとも面白い。

 

孤独のグルメの原作、1は大分前に読んだが、2が出ているのを最近初めて知って読んでみた。辛いときにはなぜか人が飯を食っている姿が気持ちを紛らわせてくれる。今年はずっと孤独のグルメのドラマ版や食べ物系YouTube動画を見ていた。

 

マンガ以外の書籍類

 

とにかく面白かった!

発売されたばかりということもありあまり内容に踏み込みたくないのだが、ミステリー的な展開から、クライシス物、ファーストコンタクトSF物を経てブロマンス物へと移り変わるSFの楽しさてんこ盛り。

映画化も進んでいると言うことで楽しみだ。自分は英語のオーディオブック版を買ったところ、オーデイォブックならではの演出があってなかなかよかったが、映画ではこのあたりさらに差別化できるのだろう。

 

 

今頃読んだ。こちらもネタバレしたくないのであまり内容を語りたくないのだが、自分は半分くらいまでフムフムと読み進んだところで本が手放せなくなり残りは最後まで一気に終わらせてしまった。

 

ten.tokyo-shoseki.co.jp 

高校の生物基礎の教科書。生物学というのはずいぶんと進歩の早い分野らしく、自分が高校生の頃と大分内容が変わっているようだ。というかその前に自分は高校レベルの生物学を碌に知らないのだと言うことが良くわかった。

例えば数年前の自分に「地球の生物を大きく3つに分けると何と何と何?」とか聞いたらおそらく「え?菌と植物と動物?」とか間抜けな事を答えていたに違いない。答えは「細菌と真核生物とアーキア」だ、たぶん。自分はこんな基礎的な事さえしらなかった。

もう少し発展した内容の、「生物」(東京書籍)も買ってあるのでいずれ読んでみるつもり。

 

がんの発生の原因をDNAの破壊などのレベルから解説してくれている。自分の体に何が起こったのかを理解する上でとても役にたった。

 

この本を読んでインターバルウォーキングを始めた。この本によると普通のウォーキングはやるだけ無駄。運動は最大心拍数の60%に達しないと健康に対する効果はないそうだ。そしてこの効果をもっとも効率的に実現する手段がインターバルウォーキングなのだと。

あっさり信じる気になったのは、自分が参加した「prehabilitation」という手術前に体力を鍛えておくプログラムの中にインターバルウォーキングが入っていたという面もある。あとは研究者が書いた本らしく、効果のエビデンスがリファレンス付きで紹介されているのも説得力をます。

この本を読んで以来他の運動をやっていても常に心拍数を気にし、60%を超える強度になっているかを確かめるようになった。

 

 

マンガ区分にいれるべきなのだろうが、雰囲気的にこちらに分類。ダイヤモンド誌の記事でも解説され話題になった疲労物質とそのマーカー(ヘルペスウィルス)について、その発見者の近藤教授によってやさしく解説されている(画はにしかわたく氏)。

結局疲れたら休むしかないのだよね。

 

非常に基本的な個人向けファイナンスの基礎について解説した本。

あたりまえの事しかかいてないのだが、それでさえ自分には知らないことあやふやなことだらけだった。

 

大学の頃に学んだ線形代数の復習に読んだ。とてもわかりやすく丁寧に説明してある。学生の頃こんな本があればもっと良く理解できたのにと、自分の努力不足を棚にあげてついつい思ってしまった。

 

「集合と位相」の数学史。抽象的でわかりにくい集合と位相が数学史の中でいかに重要な位置を占めるようになったのか、歴史的な経緯を順を追って数学的な解説を伴って説明している。読み終わって、なるほど集合と位相は重要だ、と納得いった。

また集合と位相を再勉強したくなった。

 

ブログで感想を書いた。自分にとってのディストピア小説の完全形。

 

こちらもブログで触れた。今の世の中は生物としての人類にはいろいろ大変らしい。運動しよう。